首の痛み、顎の下が痛い原因とは?考えられる病気や改善策を詳しく解説

首の痛みと顎の下の痛み、同時に起こると不安になりますよね。実は、肩こりや顎関節症といった身近な原因から、リンパの腫れなど、様々な原因が考えられます。この記事では、首の痛みと顎の下の痛みが同時に発生する原因を詳しく解説し、考えられる病気やそれぞれの症状、自宅でできるケアや専門家による治療法まで網羅的にご紹介します。この記事を読めば、原因に応じた適切な対処法が分かり、不安を解消できます。首と顎の下の痛みを和らげ、快適な毎日を送るためのヒントが満載です。

1. 首の痛みと顎の下の痛みが同時に起こる原因

首の痛みと顎の下の痛みは、様々な原因が考えられます。これらの痛みは関連している場合もあり、別々の原因で起こっている場合もあります。痛みの原因を特定し、適切な対処をすることが重要です。

1.1 筋肉の緊張や炎症

首や顎周りの筋肉の緊張や炎症は、首の痛みと顎の下の痛みの一般的な原因です。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用、姿勢の悪さ、精神的なストレスなどが筋肉の緊張を引き起こし、痛みを生じさせます。

1.1.1 肩こりやストレートネック

肩こり肩こりは、首や肩の筋肉が緊張することで起こります。この緊張が首の痛みだけでなく、顎の下の痛みにもつながることがあります。ストレートネックストレートネックは、本来湾曲しているはずの頸椎がまっすぐになっている状態です。この状態では、首への負担が大きくなり、筋肉の緊張や痛みを引き起こしやすくなります。肩こりやストレートネックは、日常生活の習慣と密接に関係しています。

1.1.2 顎関節症

顎関節症顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じることで、痛みや口が開けにくいなどの症状が現れる疾患です。顎関節症は、顎の痛みだけでなく、首の痛みや顎の下の痛みを引き起こすこともあります。歯ぎしりや食いしばり、ストレス、噛み合わせの悪さなどが顎関節症の原因として考えられています。

1.2 リンパ節の腫れ

顎の下にはリンパ節があり、細菌やウイルスなどの異物から体を守る役割を担っています。感染症などによりリンパ節が腫れると、顎の下に痛みを感じることがあります。

1.2.1 風邪や感染症

風邪や感染症風邪や感染症にかかると、体の免疫システムが活性化し、リンパ節が腫れることがあります。特に、耳鼻咽喉の感染症では、顎の下にあるリンパ節が腫れやすく、痛みを伴うことがあります。多くの場合、感染症が治癒するとリンパ節の腫れも引いていきます。

1.2.2 腫瘍

稀なケースですが、リンパ節の腫れが腫瘍腫瘍による場合もあります。リンパ節の腫れが長引く場合や、他の症状を伴う場合は、医療機関を受診することが重要です。

1.3 その他の原因

筋肉の緊張、炎症、リンパ節の腫れの他に、首の痛みと顎の下の痛みを引き起こす原因はいくつかあります。

1.3.1 甲状腺の病気

甲状腺は、首の前側にある蝶のような形をした臓器です。甲状腺の病気甲状腺の病気には、甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症、甲状腺炎などがあり、これらの病気によって首の痛みや顎の下の痛みを感じることがあります。甲状腺の病気は、血液検査などで診断することができます。

1.3.2 神経痛

神経痛神経痛は、神経が圧迫されたり、損傷したりすることで起こる痛みです。首や顎周辺の神経が影響を受けると、首の痛みや顎の下の痛みとして現れることがあります。神経痛の原因は様々で、特定が難しい場合もあります。

 

2. 考えられる病気とそれぞれの症状

首の痛みと顎の下の痛みは、様々な病気が原因で起こり得ます。ここでは、考えられる主な病気とそれぞれの症状について解説します。

2.1 顎関節症

顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に異常が生じる病気です。口を開けづらい、顎を動かすと音がする、顎やこめかみに痛みを感じるなどの症状が現れます。首や肩のこり、頭痛を伴う場合もあります。

2.2 リンパ節炎

リンパ節炎は、細菌やウイルス感染によってリンパ節が腫れる病気です。顎の下にあるリンパ節が腫れると、顎の下に痛みや腫れを感じます。発熱や倦怠感を伴うこともあります。

2.2.1 急性リンパ節炎

細菌感染などが原因で急激にリンパ節が腫れ、痛みを伴います。多くは数日で症状が軽快しますが、重症化すると膿が溜まることもあります。

2.2.2 慢性リンパ節炎

長期間にわたってリンパ節が腫れている状態です。痛みは少ない場合もありますが、基礎疾患の有無を調べる必要があります。

2.3 甲状腺炎

甲状腺炎は、甲状腺に炎症が起こる病気です。甲状腺は喉仏の下にある臓器で、腫れると顎の下に痛みや圧迫感を感じることがあります。甲状腺ホルモンの分泌異常による倦怠感や体重変化などの症状が現れる場合もあります。

2.3.1 亜急性甲状腺炎

ウイルス感染などが原因で起こる甲状腺の炎症です。発熱や甲状腺の痛み、腫れが特徴です。

2.3.2 橋本病

自己免疫疾患の一種で、慢性的に甲状腺に炎症が起こります。甲状腺機能低下症を引き起こすことがあります。

2.3.3 バセドウ病

自己免疫疾患の一種で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されます。動悸や発汗、体重減少などの症状が現れます。

2.4 咽頭炎

咽頭炎は、喉の奥にある咽頭に炎症が起こる病気です。喉の痛みや腫れ、発熱などの症状が現れます。炎症がひどくなると、顎の下にも痛みを感じることがあります。

2.4.1 ウイルス性咽頭炎

ウイルス感染によって引き起こされる咽頭炎です。風邪の症状と併発することが多いです。

2.4.2 細菌性咽頭炎

細菌感染によって引き起こされる咽頭炎です。溶連菌感染症などが代表的です。

2.5 頸椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアは、首の骨と骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を圧迫する病気です。首の痛みやしびれ、腕の痛みなどが主な症状ですが、稀に顎の下に痛みを感じることがあります。

 

上記以外にも様々な原因が考えられます。自己判断せずに、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。

3. 首の痛みと顎の下の痛みの改善策

首の痛みと顎の下の痛みは、様々な原因によって引き起こされます。原因に応じた適切な改善策をとることで、症状の緩和が期待できます。ここでは、自宅でできるケアと医療機関での治療について解説します。

3.1 自宅でできるケア

まずは、自宅でできるケアから試してみましょう。ただし、痛みが強い場合や長引く場合は、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。

3.1.1 ストレッチ

首や肩周りの筋肉の緊張を和らげるストレッチは、痛みの軽減に効果的です。首をゆっくりと左右に傾けたり、回したりする運動を丁寧に行いましょう。無理に動かすと逆効果になる場合があるので、痛みを感じない範囲で行うことが重要です。

3.1.2 温罨法と冷罨法

痛みの種類によって、温罨法と冷罨法を使い分けます。炎症が起きている場合は冷罨法で患部を冷やし、筋肉の緊張が強い場合は温罨法で温めるのが効果的です。温罨法には蒸しタオルや使い捨てカイロなどを、冷罨法には保冷剤などを用いると良いでしょう。ただし、低温やけどや凍傷には十分注意してください。

3.1.3 姿勢の改善

猫背や長時間のパソコン作業などは、首や肩への負担を増大させ、痛みを悪化させる可能性があります。正しい姿勢を意識し、長時間同じ姿勢を続けないようにしましょう。デスクワークを行う際は、モニターの高さを目の位置に合わせ、椅子に深く座り、背筋を伸ばすことを心がけてください。

3.2 医療機関での治療

自宅でのケアで改善が見られない場合や、痛みが強い場合は、医療機関を受診しましょう。医療機関では、原因に応じた適切な治療を受けることができます。

3.2.1 薬物療法

痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤や消炎鎮痛剤、筋弛緩薬などが処方されることがあります。医師の指示に従って正しく服用しましょう。

3.2.2 理学療法

物理療法(温熱療法、電気療法など)や運動療法、マッサージなどによって、首や肩周りの筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減します。専門家の指導のもと、適切な方法で行うことが重要です。

3.2.3 外科的治療

ほとんどの場合、保存療法で改善しますが、症状が重篤な場合や他の治療法で効果がない場合は、外科的治療が検討されることもあります。手術が必要かどうかは、医師の診断に基づいて決定されます。

ご自身の症状に合った適切な改善策を選択し、健康な状態を維持しましょう。上記の情報は一般的なものであり、医学的アドバイスではありません。具体的な症状や治療法については、必ず医療専門家にご相談ください。

4. 病院は何科を受診すれば良い?

首の痛みと顎の下の痛みが続く場合は、医療機関への受診をおすすめします。どの診療科を受診すれば良いのか迷う方もいらっしゃるかと思いますので、症状と受診科の目安をまとめました。

上記はあくまでも目安です。症状が複雑な場合やどの科を受診すれば良いか判断が難しい場合は、まずは内科を受診し、適切な診療科へ紹介状を書いてもらうとスムーズです。

4.1 受診前に準備しておくと良いこと

受診前に以下のことを準備しておくと、医師とのコミュニケーションがスムーズになり、適切な診断と治療に繋がります。

4.1.1 症状のメモ

  • いつから痛み始めたか
  • 痛みの程度(軽い、鈍い、鋭いなど)
  • 痛む場所
  • 他に症状があるか(発熱、腫れ、しびれなど)

4.1.2 服用中の薬の情報

現在服用している薬があれば、薬の名前をメモしておきましょう。市販薬も含みます。

4.2 医療機関の選び方

近くに複数の医療機関がある場合は、ホームページなどで診療内容を確認し、自分の症状に合った医療機関を選ぶと良いでしょう。セカンドオピニオンを求めることも可能です。

5. よくある質問

首の痛みと顎の下の痛みについて、よくある質問にお答えします。

5.1 Q. 顎の下の痛みは放置しても大丈夫?

顎の下の痛みは、原因によって放置して良い場合とそうでない場合があります。軽い筋肉の痛みや一時的なリンパ節の腫れであれば、自然に治ることもありますが、強い痛みや長引く痛み、発熱などの症状を伴う場合は、放置せずに医療機関を受診してください。

5.2 Q. すぐに病院へ行った方が良いケースは?

以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。

 

5.3 Q. 自分でできる応急処置は?

医療機関を受診するまでの間、以下の応急処置を行うことができます。

5.3.1 安静にする

激しい運動や負担のかかる作業は避け、安静に過ごしましょう。

5.3.2 冷罨法

炎症を抑えるために、氷水を入れた袋や保冷剤などをタオルで包み、痛む部分に15~20分程度当てましょう。ただし、冷やしすぎには注意してください。

5.3.3 温罨法

痛みが強い場合は、温めたタオルなどを患部に当てて温めると痛みが和らぐことがあります。ただし、炎症が強い場合は悪化させる可能性があるので、冷罨法を行いましょう。

これらの応急処置はあくまで一時的な対処法です。症状が改善しない場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。

6. まとめ

首の痛みと顎の下の痛みは、筋肉の緊張や炎症、リンパ節の腫れ、その他様々な原因で起こり得ます。肩こりやストレートネック、顎関節症などは、筋肉の緊張や炎症による代表的な原因です。また、風邪や感染症はリンパ節の腫れを引き起こし、顎の下の痛みを伴うことがあります。稀ではありますが、腫瘍が原因となる場合もあります。さらに、甲状腺の病気や神経痛も、これらの症状を引き起こす可能性があります。症状が続く場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。ご自身の症状に合った適切なケアを行うことで、痛みを和らげ、健康な状態を維持しましょう。お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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顎関節症

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