【首の痛み】何科?整形外科?神経内科?適切な診療科の選び方&早く治す方法

突然の首の痛み、一体何科を受診すれば良いのか迷いますよね。放っておくと悪化してしまうかもしれないし、早めの対処が肝心なのは分かっているけれど、どの診療科が適切なのか分からず不安な方も多いのではないでしょうか。この記事では、首の痛みの原因別に適切な診療科の選び方、そして痛みが起こるメカニズムを分かりやすく解説します。寝違えやむち打ち、頸椎椎間板ヘルニアなど、様々な原因と症状に合わせた受診先が分かりますので、ご自身の状態に合った適切な対応を見つけることができます。さらに、医療機関を受診する前の応急処置や、再発を防ぐためのストレッチ、日常生活での注意点などもご紹介。この記事を読めば、首の痛みへの不安を解消し、適切な対処法を学ぶことができます。

1. 首の痛みの原因

首の痛みは、様々な原因で引き起こされます。大きく分けて筋肉や骨格の問題、神経の問題、その他の原因が考えられます。原因によって適切な対処法も異なってきますので、まずはご自身の痛みの原因を探ることから始めてみましょう。

1.1 筋肉や骨格の問題

首の痛みで最も多い原因は、筋肉や骨格の問題です。日常生活での姿勢や動作、または急な衝撃などが原因となることが多いです。

1.1.1 寝違え

寝違えは、睡眠中の無理な姿勢や冷えなどによって首の筋肉が炎症を起こし、痛みが生じるものです。朝起きた時に首が痛くて動かせない、という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。多くの場合、数日から1週間程度で自然に治りますが、痛みが強い場合は医療機関への受診も検討しましょう。

1.1.2 むち打ち症

むち打ち症は、交通事故などで首が急激に前後に揺さぶられることで、首の筋肉や靭帯、椎間板などが損傷し、痛みやしびれなどの症状が現れるものです。事故直後は症状が軽くても、数日後に痛みが強くなる場合もありますので、注意が必要です。後遺症を残さないためにも、早期の診断と適切な治療が重要です。

1.1.3 頸椎椎間板ヘルニア

頸椎椎間板ヘルニアは、頸椎にある椎間板というクッションの役割を果たす組織が、加齢や外傷などによって飛び出し、神経を圧迫することで痛みやしびれなどを引き起こす疾患です。首の痛みだけでなく、腕や手のしびれや痛み、脱力感なども現れることがあります。

1.1.4 頸椎症

頸椎症は、加齢に伴い頸椎の骨や椎間板が変形したり、靭帯が厚くなったりすることで、神経や脊髄が圧迫され、首の痛みやしびれ、運動障害などを引き起こす疾患です。初期は自覚症状がない場合も多いですが、徐々に症状が進行していくことがあります。

1.2 神経の問題

首の神経が圧迫されたり、炎症を起こしたりすることで、首の痛みやしびれなどの症状が現れることがあります。

1.2.1 頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症は、頸椎症によって神経根が圧迫されることで、首の痛みだけでなく、腕や手のしびれや痛み、脱力感などが現れる疾患です。神経根が圧迫される部位によって、症状が現れる場所も異なります。

1.2.2 頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症は、頸椎症によって脊髄が圧迫されることで、手足のしびれや麻痺、歩行障害、排尿障害などが現れる疾患です。脊髄は神経の中でも重要な役割を担っているため、症状が重篤化することもあります。

1.3 その他の原因

筋肉や骨格、神経の問題以外にも、様々な原因で首の痛みが引き起こされることがあります。下記以外にも、帯状疱疹や腫瘍なども原因となることがあります。

首の痛みは様々な原因で起こるため、自己判断で対処せず、医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。特に、発熱や激しい頭痛、手足のしびれや麻痺などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

2. 症状から適切な診療科を見つける方法

首の痛みは、その原因や症状によって適切な診療科が異なります。自己判断で治療を遅らせることなく、適切な医療機関を受診することが大切です。症状に基づいて受診すべき診療科を検討する際の参考情報としてご活用ください。ただし、最終的な判断は医療機関にご相談ください。

2.1 整形外科を受診すべき症状

整形外科は、骨・関節・筋肉などの運動器系の疾患を専門とする診療科です。以下のような症状がある場合は、整形外科の受診を検討しましょう。

2.2 神経内科を受診すべき症状

神経内科は、脳・脊髄・神経・筋肉の病気を専門とする診療科です。以下のような症状がある場合は、神経内科の受診を検討しましょう。

2.3 ペインクリニックを受診すべき症状

ペインクリニックは、痛みを専門的に治療する診療科です。以下のような症状がある場合は、ペインクリニックの受診を検討しましょう。

2.4 耳鼻咽喉科を受診すべき症状

耳鼻咽喉科は、耳・鼻・喉の疾患を専門とする診療科です。以下のような症状がある場合は、耳鼻咽喉科の受診を検討しましょう。

2.5 内科を受診すべき症状

内科は、身体全体の様々な症状を診る診療科です。以下のような症状がある場合は、内科の受診を検討しましょう。

上記の症状はあくまで一般的な目安であり、必ずしもその診療科が適切とは限りません。ご自身の症状に合った診療科を選択するために、まずは近くの医療機関に相談することをおすすめします。

3. 医療機関を受診する前の対処法

首の痛みを感じた時、すぐに医療機関を受診することが最善策ですが、都合によりすぐに行けない場合もあります。そのような時に、症状の悪化を防ぎ、少しでも楽になるための対処法をいくつかご紹介します。ただし、これらの対処法はあくまで一時的なものです。痛みが続く場合や悪化する場合は、必ず医療機関を受診してください。

3.1 安静にする

首に負担をかけないように、激しい運動やデスクワークなど、首を動かす作業は避けましょう。可能であれば横になり、首を支えて安静にすると良いでしょう。無理に動かすと症状が悪化することもありますので、安静を心がけてください。

3.2 冷湿布や温湿布を使う

痛みが発生してから48時間以内は、炎症を抑えるために冷湿布を使用するのが効果的です。市販の冷却パックや氷をタオルに包んで患部に当てましょう。48時間以降は、血行を促進するために温湿布を使用すると良いでしょう。温湿布も市販のものや蒸しタオルなどで代用できます。ただし、低温やけどには注意してください。

3.3 市販の鎮痛薬を服用する

痛みが強い場合は、市販の鎮痛薬を服用することもできます。アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの成分が含まれた鎮痛薬は、ドラッグストアなどで手軽に購入できます。ただし、用法・用量を守って服用し、持病がある方や妊娠中の方は医師または薬剤師に相談してから服用するようにしてください。鎮痛薬は根本的な治療ではありませんので、あくまで一時的な痛みの緩和として使用し、医療機関の受診も忘れずに行いましょう。

3.3.1 鎮痛薬の種類と特徴

これらの対処法を試しても痛みが改善しない場合や、しびれや吐き気などの他の症状が現れた場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診しましょう。早期の診断と適切な治療が、早期回復の鍵となります。

4. 首の痛みの再発を防ぐ方法

首の痛みは、一度治まっても再発しやすいものです。再発を予防するためには、日常生活での習慣を見直し、首への負担を軽減することが重要です。ここでは、首の痛みの再発を防ぐための具体的な方法をご紹介します。

4.1 正しい姿勢を保つ

猫背や前かがみの姿勢は、首に大きな負担をかけます。 デスクワークやスマートフォンの操作など、長時間同じ姿勢を続ける場合は、こまめに休憩を取り、姿勢を正すように心がけましょう。また、椅子や机の高さを調整し、 心地のいい環境を作ることも大切です。

4.1.1 デスクワーク時の姿勢

デスクワーク時は、画面の上端が目線と同じ高さか、やや下になるように調整しましょう。 また、キーボードとマウスは体に近い位置に置き、肘を90度に曲げた状態で操作できるようにしましょう。足の裏全体が床につくように椅子を調整することも重要です。

4.1.2 スマートフォンの操作時の姿勢

スマートフォンの操作時は、画面を目線の高さまで持ち上げ、首を曲げすぎないように注意しましょう。 長時間同じ姿勢で操作する場合は、定期的に休憩を取り、首や肩をストレッチしましょう。

4.2 適度な運動をする

運動不足は、首周りの筋肉の衰えにつながり、痛みを悪化させる可能性があります。 ウォーキングや水泳など、首に負担をかけにくい運動を習慣的に行い、柔軟性を高めましょう。激しい運動は避け、自分の体力に合った運動を選びましょう。

4.2.1 おすすめの運動

4.3 ストレッチをする

首周りの筋肉が硬くなると、血行が悪くなり、痛みが発生しやすくなります。 こまめにストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげ、柔軟性を保ちましょう。ストレッチは、痛みを感じない範囲で行い、呼吸を止めないように注意しましょう。

4.3.1 首のストレッチの例

  • 首をゆっくりと左右に傾ける
  • 首をゆっくりと前後に倒す
  • 首をゆっくりと回す

これらのストレッチは、各方向に5~10回程度行うのが目安です。 痛みを感じる場合は、無理に行わず、回数を減らしたり、中止しましょう。

4.4 ストレスを溜めない

ストレスは、自律神経のバランスを崩し、筋肉の緊張を高め、首の痛みを悪化させる要因となります。 ストレスを溜めないように、リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむ、十分な睡眠時間を確保するなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

4.4.1 ストレス解消法の例

  • 好きな音楽を聴く
  • アロマを焚く
  • ぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
  • 好きな本を読む
  • 自然の中で過ごす

これらの方法を実践することで、首の痛みの再発を予防し、健康な状態を維持することができます。自分に合った方法を選び、継続することが大切です。

5. 「首の痛み 何科」で迷ったらまず近くの医療機関に相談を

首の痛みを感じた時、どの診療科を受診すれば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。整形外科?神経内科?それとも他の診療科?どの科を受診すれば良いのか分からず、不安な気持ちでいっぱいになってしまうこともあるかもしれません。そんな時は、まずは近くの医療機関に相談してみましょう。

近くの医療機関とは、かかりつけ医や近所のクリニックなど、気軽に相談できる場所のことです。かかりつけ医がいれば、これまでの病歴や体質を理解しているので、適切な診療科の判断や紹介状の作成もスムーズです。まずは電話で症状を伝え、相談してみましょう。

近くに相談できる医療機関がない、または急な痛みでどこも受診できない場合は、各地域の相談窓口を利用する方法もあります。各自治体によっては、電話やインターネットで医療相談を受け付けている場合がありますので、調べてみると良いでしょう。

5.1 近くの医療機関に相談するメリット

近くの医療機関に相談するメリットは、大きく分けて3つあります。

5.1.1 1. 適切な診療科へスムーズに繋がる

医療機関では、問診や簡単な診察を通して、痛みの原因や症状に合った適切な診療科を判断してくれます。自分では判断が難しい場合でも、専門家の視点から適切なアドバイスをもらえるので安心です。必要に応じて、専門の医療機関への紹介状を書いてもらうこともできます。

5.1.2 2. 時間と費用の節約になる

最初から専門の医療機関を受診するよりも、まずは近くの医療機関で相談することで、自分に合った診療科をスムーズに見つけることができます。適切な診療科に繋がることで、何度も検査や診察を受ける手間を省き、時間と費用の節約に繋がります。

5.1.3 3. 地域の医療資源を有効活用できる

近くの医療機関を受診することで、地域医療への貢献にも繋がります。地域医療を支えるためにも、まずは身近な医療機関に相談してみましょう。

5.2 医療機関を探す際のポイント

近くの医療機関を探す際には、以下のポイントを参考にしてみてください。

首の痛みは、原因や症状によって適切な診療科が異なります。自己判断で治療を行うのではなく、まずは近くの医療機関に相談し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

6. まとめ

首の痛みは、その原因によって適切な診療科が異なります。筋肉や骨格の問題であれば整形外科、神経の問題であれば神経内科が第一選択となります。しかし、症状によってはペインクリニック、耳鼻咽喉科、内科など他の診療科が適切な場合もあります。

首の痛みと同時に腕や手のしびれ、首を動かした際の痛みの増強、交通事故によるむち打ちの可能性がある場合は整形外科、手足のしびれや脱力感、めまいやふらつき、激しい頭痛がある場合は神経内科への受診を検討しましょう。慢性的な痛みや他の医療機関で原因が特定できない場合はペインクリニック、耳の痛みや聞こえにくさと同時に首の痛みがある場合、あるいは扁桃腺の腫れがある場合は耳鼻咽喉科、発熱や首のリンパ節の腫れ、全身倦怠感がある場合は内科を受診するのが良いでしょう。

医療機関を受診する前は、安静、冷湿布や温湿布の使用、市販の鎮痛薬の服用といった対処法を試すことができます。また、再発予防には正しい姿勢の保持、適度な運動、ストレッチ、ストレスを溜めない生活習慣が重要です。どの診療科を受診すべきか迷った場合は、まずは近くの医療機関に相談してみましょう。お困りごとがありましたら当院へお問い合わせください。

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